今回は「在留届」を提出すべき3つの理由とその方法について紹介します。日本で「海外転出届」を提出していても「在留届」は提出していない、という方も多いのではないのでしょうか?実際、在留届を届けずに海外で生活をしている人も多くいます。しかし、在留届を出しておかないといざという時に困ったり、あるいは不便だったりすることもあります。この記事を読んで、在留届を正しく理解して、きちんと提出しておきましょう。
意外と知られていませんが、在留届の提出は以下のように法律で義務付けられています。
旅券法第十六条(外国滞在の届出)
旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在するものは、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事館の領事官に届け出なければならない。
つまり、海外転出届が「これから日本の国外で住みますよ」という報告だとしたら、在留届は「私は〇〇という国で住み始めます」という報告、ということになります。海外転出届を役所に提出したら、どの国に移住するかまで自動で登録してもらえたら楽なのですが、現在のところそうはなっていないので、海外転出届と在留届を別々に登録する必要があるわけです。ちなみに、在留届を提出しなくても、具体的な罰則はありません。
「そんな緊急事態なんて、そうそう起きないよ」と思うかもしれませんが、備えあれば憂いなしです。当たり前ですが「在留届を提出している=日本国大使館や総領事館が自宅の住所と緊急連絡先を把握している」ということなので、例えば大きな事件・事故や思わぬ災害に巻き込まれた場合に、迅速に安否の確認と家族への連絡をしてくれます。また、そのような場合には日本に住んでいる家族から安否確認の連絡が日本国大使館や総領事館に入ることもあるでしょう。そういった際に在留届が提出されていないと連絡を取ることができません。なので、在留届は日本に住む家族のためにも、絶対に提出しておきましょう。
これは私自身びっくりしたのですが、大きな事件や暴動など海外に住んでいる日本人に危害が加わる可能性のある情報はタイムリーにメールで通知してくれます。英語圏以外の国で住んでいる人は特に、現地のニュースをリアルタイムで把握しておくのって結構大変ですよね。そんな時に、危険なニュースだけをタイムリーに配信してくれる日本国大使館や総領事館からのメールは、とても助かります。私自身、住んでいるアイントホーフェン市からそう遠くない場所で銃撃事件が発生したというニュースを迅速に受け取ることができ、自分の身の安全に気をつけることができた経験もあります。
海外から投票をするためにも、在留届を提出しておくことが必要です。海外から投票するためには「在外選挙人名簿への登録」が必要なのですが、そのためには事前に海外転出届の提出と在留届の提出を済ませておかないといけません。在外選挙人名簿への登録の流れについては、外務省のホームページに記載されています。
在留届の提出方法は「在留届電子届出システム(ORRnet)」にてインターネットから提出するか、在留届を持参、FAX、郵送するかのいずれかの方法にて提出できます。個人的にはパソコンで手軽にできる在留届電子届出システムがおすすめです。ちなみに住所などの情報は後からでも変更が可能なので、部屋が決まっていなくても一旦登録しておいて、後から正式な住所を入力するといいでしょう。
今回は在留届を提出するメリットとその方法について紹介しました。ネットで手続きすれば2〜3分で情報を入力して終わりなので、ぜひ時間のある時にやっておきましょう。