【美大留学記#06】アンテナをはって、アイディアの種を集める
こんにちは。今回はデザインアカデミーアイントホーフェンでデザインについて学び始めて気づいた、アイディアの生み出し方についてお話させていただきたいと思います。
(前回はこちら:【美大留学記#05】何に対してお金を払っているのか)
目まぐるしく移り変わるこの現代にて、デザイン業界に限らず、目の前の問題や課題に対して既存の解決策とは違った、新たな解決策を求められることも多いのではないのでしょうか?
または、出会ったことのない新しい問題や課題に対しての解決策を求められることもあるのでは?
という訳で、今回は『アンテナをはって、アイディアの種を集める』というテーマでお伝えさせていただきたいと思います。
種は時期がこないと芽吹かない
デザインアカデミーの2年次からの課題は抽象的でコンセプチュアルなものが多いので、課題ごとに自分で問題を定義しないといけないのですが、大変なのはその問題に対するオリジナルな解決策を提示すること。
まあ、デザインの定義自体が「具体的な問題を解決するために思考·概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること」なので、当たり前なのですが。
とは言っても、そのデザインにつながるアイディアってどう生み出したらいいんでしょう?
デザインについて本格的に学び始めてから日は浅いですが、今のところの答えは「その元となる要素を、日常的にストックしておく癖をつけること」です。
具体的には
- 思いついたことをすぐに、いつも持ち歩いている小さめのノートに書き留める
- 心惹かれたり、直感的に面白いと思ったものをスマホの写真にとる
という2点をやってます。
書き留めたメモ・スケッチや撮影した写真が、すぐに今取り組んでいる課題に直結するかというと(特に写真の方は)そうはいかないことが多いです。
しかしながら、行き詰まっている時や何か新しいインスピレーションが欲しい時に、書き溜めたノートや撮り溜めた写真をぼーっと眺めていると、突然アイディアが思い浮かんだりします。
よく「アイディアとは、既存の要素の新しい組み合わせでしかない」と言われますが、書き留めた瞬間や撮った瞬間はそれらをどう活かせばいいのか分からないものでも、後からその「組み合わせ」に気づいて、それがアイディアという形で現れてくるということが大いにあるということです。
だからこそ、「ふと思った何気ないこと」を書き留めたり、「なんかいいな」と思ったものを写真に撮ったりすることは、とても大事なんです。
そして、それと同じくらい大事なことは「それが役に立つか、立たないかを考えない」こと。
「役に立つかどうか」なんてのはその時々の状況によって変わりますし、その瞬間には役に立たなそうに思えることでも、例えば1年後に役立ったなんてことも全然ありえるからです。
そして何より、目先の損得勘定だけで将来の素晴らしいアイディアにつながるチャンスを潰すのはもったいないからです。
アイディアの種を集めることで、その感度が上がる
アイディアの元となることを日常的にストックする癖がつくようになってから、アイディアを生み出すことの他に、嬉しい副産物がありました。
それは、ストックをするようになればなるほど「ふと何気なく思うこと」や「いいなと思うこと」の回数が増えた、ということです。
これは、ストックすることを繰り返すうちに、そういった刺激に対する感度が上がりより多くのことに気がつくようになったからだと思います。
また、ストックが増えれば増えるほど、それを後から見返した時に自分の興味・関心の傾向やクセといったものを客観的に分析することができます。
これが結構ポイントで、「自分は○○○○的なものに心が惹かれやすいんだなあ」と分かれば、そこが「自分が強いポイント」でもあるので、それを活かしたアウトプットもできるようになってくるんです。
もちろん「自分の活かすべきポイント」と「それを魅力的なアウトプットとして活かせるかどうか」は全くの別物で、そこがデザイナーの腕の見せ所になると思うので、これからもそこを訓練していこうと思います。
さいごに
今回は「アイディアの元となる種の集め方」についてお話させていただきました。
アイディアの種をストックしながら「自分を知っていく」ことで、魅力的なアイディアを生み出せるようになるだけでなく、自分の魅力的な活かし方も分かるようになっていくのではないでしょうか。
それでは、また。
この記事へのコメント