【美大留学記#07】“ロックダウン”からリズムをつかむ!

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こんにちは。留学中にロックダウンに巻き込まれるという今回の予想外のハプニングで、学校も休校になり、かなりイレギュラーな状態で授業が進んでいる現在の生の様子を、今回はお伝えできたらと思います。

(前回はこちら:【美大留学記#06】アンテナをはって、アイディアの種を集める

授業は全てオンラインに移行、しかしながら相性が良くない?

今回ほどのパンデミックは私が通うデザインアカデミーアイントホーフェンにとっても前代未聞の出来事のようで、学校としてもマニュアルがない中、対策を突貫工事で行っている感じです。

オランダ政府からの正式なアナウンスに従って、学校は3月15日付で4月6日まで閉鎖ということが決まったのですが、それ以降は未定で、閉鎖が決まった時はクラスのメッセージグループの通知が鳴り止みませんでした。

デザインアカデミーは留学生が6割以上を占めるので、慌てて母国への航空券を手配したりするクラスメイトも少なくありませんでしたし、交換留学生として来ていた子たちはみんな母国へ強制送還になってしまったり。。

そんな中でも、学校側としては学費を受け取っている以上は授業を提供しなくてはいけませんし、生徒としても試験を通して進学・卒業をしなくてはいけないので、必然的に全ての講義がオンラインへと切り替わりました。

具体的には、Skypeやzoomといったツールを使って個別に先生からそれぞれの課題のフィードバックをもらうという感じです。

しかしながら、オンラインとデザインアカデミーの相性が良くないんです。

デザインアカデミーの強みは「生徒 x 先生」だけでなく、「生徒 x 生徒」の相互効果でデザイナーとして成長できる機会と環境を提供するところにあります。

言い換えると、「グループフィードバックや学部の教室内での会話を通して、それぞれが取り組んでいる課題が可視化されやすく、刺激を与え合いやすい環境」ということです。

それぞれのトピックが可視化されることで、自然とお互いにアドバイスをしやすいですし、逆にアドバイスをすることで視野が広がり、自分の課題への良いインスピレーションにつながったりもするんです。

しかし、オンラインだとどうしても個別のフィードバックが中心になってしまうので、その良さが生かしきれていないというのが現状です。

また、それだけでなく「学校のワークショップが利用できない」のはかなりの痛手で、そもそも作品づくりが困難な状態というのは、プロダクトデザインの学校で学ぶ者としては結構致命的だったりします。

そのため課題の軌道修正が先生主導で行われており、今は「リサーチベースに舵を切る」方向で動いている課題がほとんどです。

しかし、逆にこの「制限された状況を生かす」方法はないのでしょうか?

逆に、“制限下ならではの”メリットを探す

パンデミック状況下なので様々な制約があるわけですが、(学校に関連するところでいうと)具体的にはどんなものがあるのか?

  • 学校の施設(ワークショップ)が使えない
  • 店舗が閉まっており、作品に必要な素材が購入できない
  • クラスメイトのプロジェクトが見えない
  • 先生、クラスメイトからの相互フィードバックの量が通常より減る(数的にも時間的にも)

メジャーなものとしては上記のような感じかと思います。

ここで「先生、クラスメイトからの相互フィードバックの量が通常より減る(数的にも時間的にも)」というのは一見デメリットのように思えるのですが、これの裏には「フィードバックの時間が少ない分、通常よりも自由に使える時間が増えている」というメリットが隠れていたりします。

(まあ冷静に考えれば、当たり前の話なのですが。笑)

そこで次に考えるべきは「その増えた時間をどう使うか?」ということになってくる訳ですが、ここで「学校と自分の部屋との環境の違い」を考えてみます。

  • 学校⇒クラスメイト・先生との意見交換を通じてインスピレーションが生まれやすい反面、自分のペースを乱されやすい
  • 自分の部屋⇒会話からのインスピレーションは受けることができないが、自分のペースをつくりやすい

理想的には「自分のペースを保ちつつ、外部からインスピレーションが入ってくる状態にする」ことなので、ペースを保つための「視覚化」とインスピレーションが湧き出やすくするための「学校の課題と関係ないことをする」ことにしました。

「考えなくてはいけないこと」の視覚化

トップ画が「考えなくてはいけないこと」の視覚化をした私のデスク周りの写真なのですが、課題ごとにポストイットを分けて貼れるようにしています。

なぜ「To doリスト」ではなく「考えなくてはいけないこと」にしているかというと、なるべく“疑問という形”にしておきたかったからです。

以前本で読んだことがあるのですが、脳は「一度疑問に思ったことを答えが出るまで無意識に考え続ける」性質があるそうです。

それゆえに、人間関係の悩みを多く抱えていると、脳に必要以上のストレスがかかって精神衛生上にも良くない影響が出てくるそうです。(一般的に、人間関係の悩みは答えが出ないので。)

という訳で、デスクの前という「すぐ目に入る場所に疑問をぶら下げておくことで、脳に答えが出るまで無意識に考えさせちゃえ」ということをやってます。

そうするとある瞬間に「ひらめき」という形で答えが意識下に上がってくるので、面白いものです。

学校の課題と関係のないことに取り組む時間をつくる

学校の課題ばかりを取り組んでいると、視野が狭くなって煮詰まってしまうことが多いので、意識的に「課題とは関係のないことを取り組む時間」を日々のルーティーンの中に組み込むようにしています。

やることは何でも良かったのですが、まとまって時間がとれるいい機会なので、最近は前から興味のあったプログラミングの勉強を始めたり、こんな感じでブログの記事を書いたりしています。

学校が休校になる前は(意識的に)やってこなかったことなのですが、やり始めてから気づいたことがあります。

それは「関係のないことを考える機会が多いほど、アイディアが湧いてくる」ということ。

なんとなく「考えることが多いとアイディアが枯渇してくる」イメージがあったのですが、実際は全く逆でした。

Aということを考えている時に、あまり関係のないBということを思いついたりする。

そんなことがよくあって、なんでそうなるのかは分からないのですが、これは一石二鳥だということで今も続けて「関係のないこと」を日々やってます。

さいごに

今回は現在進行形で起こっているパンデミックの中での学校の様子と、その制限下で私が日々のリズムをつかむためにやっていることをお話させていただきました。

まだまだどうなるか予想のつかない状況なので、学校の様子や私自身に変化があったら、また別の記事にてお伝えさせていただけたらと思います。

それでは。

この記事へのコメント

  1. こんにちは!学生です。
    とても興味深い記事で、毎回勉強させて頂いております。

    アイントホーフェンの入試について伺いたくコメントいたしました。
    入試の課題はいつ頃発表されるのでしょうか?また、ホームページで入試問題は見られるのでしょうか?

    お時間がございましたら、ご回答頂けると幸いです。よろしくお願いします!

    1. コメントありがとうございます。

      入試課題の発表時期についてははっきり覚えていないのですが、遅くとも入学試験申し込みフォームがオープンする10月頃までにはホームページにアップされるはずです。
      (試験問題は、DAE top page > STUDY > BACHELOR > APPLY FOR BACHELOR COURSE > HOME ASSIGNMENTS にて確認できます^^)

      だた、「必須課題×1 選択課題×1」という形式や内容は毎年そこまで変わらないので、試験問題の発表前でもある程度の対策はできるかと思います!
       

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