オランダでミュージアムカードを購入しないと損!その4つのメリット
今回はミュージアムカードとその4つのメリットについて紹介します。日本で年間フリーパスというと、よっぽど特定の美術館が好きな人でもない限り購入するメリットがないように感じますが、オランダのフリーパスであるミュージアムカードは、オランダに長期で滞在するのなら持っていないと損、というくらいメリットがたくさんあります。だからこそ、コスト面だけでないミュージアムカードのメリットを知って、オランダの美術館・博物館を最大限楽しみましょう!
ミュージアムカードとは?
ミュージアムカードとは、オランダ国内にある400以上の博物館と美術館を回数無制限で訪れることができる、年間フリーパスのことです。美術館ごとの年間フリーパスは日本でもありますが、国内ほぼすべての博物館と美術館を対象にした年間フリーパスは、アートとデザインの国オランダならではと言えます。
<<価格>>
大人(19歳以上):64.9ユーロ(約8,000円)
子供(18歳以下):32.45ユーロ(約4,000円)
<<有効期間>>
購入から1年間。有効期間はミュージアムカードのホームページより延長可能で、その場合は5ユーロの割引があります。
オランダのほぼすべての美術館・博物館にフリーアクセス
このフリーパスが使えない美術館・博物館はないというくらい、オランダ国内ほぼすべての美術館・博物館を網羅しています。もちろんアムステルダム国立美術館やヴァン・ゴッホ美術館、アムステルダム市立美術館といったガイドブックにも載っているような有名な美術館はもちろん、アンネ・フランクの家やレンブラントの家といった歴史博物館や科学博物館といった施設でも、このミュージアムカードは使えます。オランダ国内なら幅広く有効な、ほぼ無敵のアクセスカードです。
<<アクセスできる美術館(一部)>>
- アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)
- ヴァン・ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)
- アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum Amsterdam)
- エルミタージュ美術館アムステルダム別館(Hermitage Amsterdam)
<<アクセスできる博物館(一部)>>
- アンネ・フランクの家(Anne Frank House)
- レンブラントの家(Museum het Rembrandthuis)
- 監獄博物館(Museum de Gevangenpoort)
- ミッフィー博物館(Miffy Museum)
- パイプ博物館(Amsterdam Pipe Museum)
- アブラハム・ウィレットの家(Museum Willet-Holthuysen)
- アムステルダム写真博物館(Foam Photography Museum Amsterdam)
- 映画博物館(Eye Film Museum)
- アムステルダム・ダイヤモンド博物館(Diamant Museum Amsterdam)
- 科学博物館(NEMO Science Museum)
- バッグ博物館(Tassenmuseum Hendrikje)
- キャナルハウス博物館(Museum Het Grachtenhuis)
- ホロコースト国立博物館(Nationaal Holocaust Museum)
- 伝統服飾博物館(Het Klederdrachtmuseum)
- アムステルダムの王宮(Koninklijk Paleis Amsterdam)
- 葬式博物館(Museum Tot Zover)
お財布に優しいだけでなく、並ばずに入場も
購入するのに8,000円ほど費用はかかりますが、美術館や博物館の入場料を考えれば、年間トータルではかなりお得と言えます。例えば美術館なら、アムステルダム国立美術館で19ユーロ(約2,400円)、アムステルダム市立美術館で18.5ユーロ(約2,300円)、ゴッホ美術館で19ユーロ(約2,400円)なので、年間で4回以上美術館を訪れれば元が取れる計算になります。
また、お財布に優しいだけでなく、事前にチケットを購入する必要がないのも大きなメリットです。オランダの大きい美術館のほどんどは事前に窓口かインターネットでチケットを購入する必要があるだけでなく、入場できる時間も指定されているので、チケットを購入してすぐに美術館へ入るということができなかったりします。しかし、ミュージアムカードがあればチケットを購入する必要がないだけでなく、美術館にてカードを提示してチケットを入手する必要もありません。(ミュージアムカードにはバーコードが印刷されており、それ自体がチケットの代わりになるためっです。)曜日や時間によってはチケットを買うために列に並ばないといけなかったりするので、その手間を省けるのは嬉しいですよね。さらに事前に入場する時間を予約する必要もないので、待ち時間なしで、好きな時に美術館を訪れることができます。ただし、混み合う時間帯や曜日は美術館・博物館によっては入場規制がかる場合もあるので(ミッフィー博物館など)心配な場合は事前にインターネットで入場予約をしておくことをおすすめします。
ツマミ食い的な感覚で、気軽にアートを楽しめるように
ミュージアムカードがあれば、無制限に何回でも美術館を訪れられるということなので、より気軽にアートに触れることができます。「数千円払ってチケットを買ったからには、元を取れるくらいしっかり観なきゃ」と意気込んでしまい、美術館を出る頃には疲れてしまってその後の予定が楽しめなかった、、、なんて経験がある人も少なくないのではないでしょうか。また、どうしても絵画というと敷居が高く感じてしまい、腰が重くなってしまったりもします。だからこそ、“好きな時にいつでも”・“何回でも”アートにアクセスできるようにしてくれるミュージアムカードは、「より気軽に」アートに触れられるためのベストな方法なのです。ガイドブックに紹介されているような数十点の有名な作品を一度に全部観ようとしたら、疲れてしまって結果的に美術館から足が遠のいてしまう、というのは自然なことです。でも、例えば「アムステルダム国立美術館の、レンブラントの『夜警』だけを観に行く」というように、美味しいところだけをツマミ食いするくらいの気軽な感覚で美術館に訪れれば、結果的にアートが身近になって興味がわき、もっと好きになれるのではないでしょうか。私自身もミュージアムカードのおかげで、ちょっとした空き時間に気軽に美術館を訪れることができるようになり、日本に住んでいた時よりもアートが身近になったように感じます。
将来的に美術館の入場料が値上げされるのを防ぐ
近年、オランダの美術館や博物館では若者の絵画離れなどの影響もあって来場者数が減少し、そのため多くの美術館・博物館が入場料を引き上げなければならない状況に陥っています。この傾向が続けば、将来的に入場料はいままで以上に上昇してしまうでしょう。しかし、より多くの人がミュージアムカードを購入することで、それを防ぐことができます。なぜならば、ミュージアムカードの購入金額のほぼ90%が美術館・博物館に直接まわされるシステムになっているからです。つまり、ミュージアムカードを購入することで購入した人にメリットがあるだけでなく、オランダの400を超える美術館・博物館を経済的に援助することができるということです。
ミュージアムカードの入手方法
ミュージアムカードは美術館の窓口か、ミュージアムカードのホームページから購入可能です。
<<美術館の窓口での購入>>
美術館の窓口で購入した場合、その場で入手できるのは仮カード(31日間有効で、使用できるのは5回まで)なので、後からミュージアムカードのホームページから個人の登録と顔写真のアップロードをする必要があります。そうすると、3日ほどで正式な顔写真付きのミュージアムカードが郵送で登録した住所に送られてきます。
<<ホームページからの購入>>
ミュージアムカードのホームページから購入する場合も、ホームページ上で住所や氏名などの個人情報の登録と顔写真のアップロードが必要で、購入手続き後は郵送にてミュージアムカードが送られてきます。
「My Museum card」のアカウントで出来ること
ミュージアムカードを購入する流れの中で、ホームページ上にて必然的に「My Museum card」というアカウントを作成することになるのですが、これが結構便利です。「登録情報の変更」や「有効期間の延長」だけでなく、「いつ、どこの美術館・博物館を訪れたか」という記録を過去3年間分も見ることができます。あの絵を観たいけど、美術館の名前を忘れてしまった、、、なんて時にとても役に立ちます。
終わりに
今回はミュージアムカードについて紹介しました。ミュージアムカードはお得なだけでなく、他にも様々なメリットがあるので、うまく活用しながらアートとデザインの国であるオランダを満喫して下さいね。