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ミッフィー好きなら外せない、オランダ・ユトレヒトの3つのスポット

今回はミッフィーの街、ユトレヒトにあるオススメの3つのスポットについて紹介します。ユトレヒトがミッフィーで有名なのは知っていても、どこをまわったらいいのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。ポイントを絞ってまわることで、短い時間でもミッフィーとその作者であるブルーナさんに対して理解を深めることができます。ミッフィーとブルーナさんのことを知って、ミッフィーのことをもっと好きになりましょう!

ユトレヒトについて


アムステルダムからIntercityという快速電車で20分ほどのユトレヒトは、ユトレヒト州の州都であり、オランダで4番目の都市です。かつての宗教の中心地であり、16世紀のオランダ独立戦争の時には、支配されていたスペインに対するユトレヒト同盟と言われる軍事同盟が結ばれたことで名高い都市です。そして、ミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナさんが活動拠点としてした都市としても有名です。

ディック・ブルーナさんとは

<<もともとは画家志望だった?>>

1927年に、オランダのユトレヒト州ユトレヒト市の出版社「A·W·ブルーナ&ズーン」(以下ブルーナ社)を経営する両親の下に生まれたブルーナさん。長男であったため両親は会社を継いで経営者になってほしいと望んでいましたが、画家になることを夢見ていたブルーナさんはそんな両親を説得して、大学に通ったり、大学を退学したあとは独学で画法を身に付けていきます。

<<ブルーナ社のグラフィックデザイナーに>>

画家になることを目指していたブルーナさんですが、恋人と婚約したこともあり、ブルーナ社に入社してグラフィックデザイナーとして働き始めます。そこで、会社が発行する書籍の装丁(本の表紙やカバーのデザインも含めた本を綴じて表紙などをつける作業)を多く手がけることになります。ブルーナさんの装丁は、それまでの装丁の概念を覆すようなシンプルで斬新なデザインのスタイルでした。

<<ミッフィーの誕生>>

ブルーナさんは1953年に出版した初の絵本「de appel」(りんごちゃん)につづき、1955年には「nijntje」(ナインチェ)という、うさぎを主人公にした絵本を出版します。これが後に「ミッフィー」と呼ばれるようになります。写実的な絵本が普通であった時代に、ブルーナさんは文章のない絵だけの、シンプルな線と明解な色彩で描かれたモダンなキャラクターたちが活躍する絵本は斬新で、当時の子どもたちの心をとらえました。このデザインの背景には絵を学んでいた彼の、デ・ステイルからの影響が見て取れます。

<<ミッフィーが常に正面を向いている理由>>

ミッフィーの絵本を読んでいると、キャラクターたちが常にカメラ目線で正面を向いていることに気がつくのではないでしょうか。これにはブルーナさんなりの深い理由があり、「キャラクターたちはいつも、本と向き合っているあなたのことを見ている」というメッセージが込められているそうです。

王道のミッフィー美術館

美術館の入口は右側です。

ユトレヒト駅から徒歩20分ほど(バスだと10分ほど)のところにあるのが、ミッフィー美術館(Nijntje Museum)です。2階建ての建物の中にはブルーナさんの全作品が収蔵されており、ミッフィーの世界にたっぷりと浸ることができます。

このミッフィー美術館ですが、メディアで多く取り上げられて世界的に有名なこともあり、当日チケットを買おうとすると売切で入場できないということがよくあります。なので、訪れる際は事前に美術館のホームページからチケットを購入しておきましょう。

美術館のホームページ。
“go to the ticket shop”のボタンをクリックです。
日時と希望の入場時間帯を選んで購入します。

意外と穴場な、中央博物館にある本物のアトリエ

意外と穴場なのが、ミッフィー美術館の向かいのユトレヒト市中央博物館の中にある、ブルーナさんのアトリエのコーナー。ガイドブックにも載ってないことが多いので、ユトレヒトを訪れたことがある人でも意外と知らなかったりしますが、個人的にはかなりおすすめです。その理由は、ブルーナさんが実際に使っていたスタジオを移転させてきて、ワンフロアを使ってそのまま展示しているからです。ブルーナさんが使っていた家具やデザイン用具などを生で見れ、ブルーナさんがミッフィーを生み出す現場の空気を肌で感じることができるのは、なかなかない貴重な機会なのではないでしょうか。また、日本でも人気があることもあり、このフロアのみ日本語の解説があるのも、私達日本人にとっては嬉しいサービスです。(他のフロアの通常の展示はオランダ語か英語のみです。)

ブルーナさんが座っていた椅子。ここでリラックスしたりしていたそう。

ブルーナさんの友人が経営する、アンティークな切手のお店

ユトレヒト駅から徒歩7分ほどのところにあるのが、Postzegel/munten handel Willem van der Bijlというアンティークの切手のお店。ここのお店の店主、ウィリアム・ファン・デル・ベイルさんはブルーナさんと旧知の間柄だそうで、お店の看板にはブルーナさんオリジナルのイラストが描いてあります。ミッフィーの絵葉書はもちろん、通常のお店では手に入らないようなアンティークのミッフィーの切手も購入することができます。切手はファイルに入っていて自由に閲覧できるので、ページをパラパラめくりながら切手を眺めるだけでも楽しいです。ここも通常のガイドブックには載っていないお店なので、ミッフィー好きなら外せない穴場スポットの1つです。

終わりに

今回はミッフィーが好きな人向けの、ユトレヒトにあるオススメのスポットを紹介しました。ユトレヒトはガイドブックに載りきらないくらいミッフィーで溢れている都市なので、是非のんびりと歩きながら、ミッフィーの世界を楽しんで下さいね。

Toshi

都内某私立大学経済学部卒業後、総合家電メーカーの経理部、ホテルのフロントデスク、医療機器ベンチャー企業を経て、2018年9月よりオランダへ渡航し、Design Academy Eindhovenに入学。 現在、同大学のThe Morning Studio学部(Man and Well-Being)に在籍中。