1泊2日のKraggenburgへのPolder Expeditionで、陶器の素材としての”土”に対しての理解を深め、また食事と人狼ゲームを通して先生&クラスメイトと親交を深めることができたので、ここからはやっと本格的にプロジェクトの開始です。
(前回はこちら:【美大留学記#11】Polder Expedition: 一万年前の地層の土を使って)
最初のプロジェクトは「2人1組でペアになって、数週間後に来たるDutch Design Week(オランダで一番大きいデザインのイベント)で展示するためのディナーセットをデザインせよ」というもの。
ですが、そもそもほとんどの生徒にとって陶芸を本格的にやるのは初めてだったので、コンセプト云々の前に石膏での型の作り方を学ぶことから始まりました。
「自分が面白いと思う物体を5〜6個ほど持ってきなさい。」という先生からの指示のもと、自分の部屋をひっくり返して探して以下のものを持っていきました。
そして先生とそれぞれの物体が型を作るのに適した素材と形かどうかを相談した後、まずは一番好きな物から始めましょうということで、三角形の木材から始めることに。
(ちなみに、一番面白そうな形だった自転車のクラクションについては、形が複雑ということで今回は断念しました。)
少し複雑な形でも、たいていの型は2〜3つのパーツで作れるのですが、私の選んだ木材の型は三角形とシンプルな形にも関わらず、結局5つ(!)もパーツを作ることに。。
というのも、木材という素材の性質上、水分を吸って石膏と木材がくっついてしまう恐れがあった為、なるべく多くのパーツに分ける必要があったからです。
簡単に出来そうという理由でシンプルな三角形の物体を選んだのに、なんたる誤算!笑
それでは、ここからは時系列で石膏型がどのように出来上がっていったかを紹介させていただきます。
木の板で型をとりたい物を囲んだ後、板との間に空いた隙間を粘土で埋めていきます。そして、石膏と木材がくっつかないように、グリスを全面に塗っていきます。
石膏を流し込んで、固まるとこんな感じです。
今度はひっくり返して次のパーツ作りへ。
5つのうち2つのパーツが完成。でもまだあと3つ作らねばなりません。
また板で囲んで、次のパーツを作っていきます。
またひっくり返して、板で囲んで、隙間を粘土で埋めて、グリスを塗って。
ついに最後の5つ目のパーツです。
やっと完成。長かった!笑
私がこの1つの型を作り終える間に、他のクラスメイトはもう既に2〜3個の型を完成させていました。。(泣)
しかしながら、完成した型には木目が綺麗に写しとられていたので、時間と手間を掛けた甲斐がありました。
木材の型を作り終わった後は、いくつか他の物体でも型を作ってみました。
(ちなみに、まだこの時にはコンセプトが全く浮かんでいなかったので、ランダムに手近にあったもので型を作ってます。笑)
今回は初めてのきちんとした石膏型づくりについてお話しさせていただきました。
型を使えば簡単に物のディテールを写しとることができるので、改めてSlip Casting(石膏型を使った流し込みの手法)の可能性は広いなと感じました。
次回はディナーセットのコンセプトと、そのために農園を訪れたりしたので、そのことについて紹介できたらと思っています。
それでは。
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