【美大留学記#11】Polder Expedition: 一万年前の地層の土を使って

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今回はKraggenburgというオランダの干拓地にて行われた、1泊2日のCeramics Properties & Potentialsコースの特別遠征課外授業についてお話しさせていただこうと思います。

課題としては「Kraggenburgの近くにある、Swifterbantという一万年前の地層から採取した土を使って食器を作る」というものだったのですが、土からお店で買えるような陶芸用の粘土に加工する過程はあまり普段目にしないと思うので、一読の価値ありです。

(前回はこちら:【美大留学記#10】さまざまなMinor CourseとCeramics Properties & Potentials

Kraggenburg、そしてSwifterbantってオランダのどこ?

KraggenburgもSwifterbantも、オランダの海岸沿いの干拓地にあります。Kraggenburgにいるデザイナーさんのアトリエにコースの生徒と先生で宿泊予定だったので、学校のあるEindhovenから電車とタクシーを乗り継いで3時間くらい(!)かけて訪れました。

元々農家のお宅だった家と畑を買い取ってアトリエにされているそうで、クラスメイト全員が泊まってもあまりあるほど広々としてました。

まずは腹ごしらえ

Kraggenburgに着いたのがお昼すぎだったので、まずは腹ごしらえということで私も含めた4人で昼食を準備することに。その中に料理が得意な子がいて、しかもタイ料理が得意とのことだったので、お昼ご飯はパッタイになりました。

みんなで広々とした畑にテーブルと食器を準備して、自分たちが作った料理を食べて、普段では中々味わえない清々しくて気持ちの良い時間を過ごすことができました。

一万年前のSwifterbantの土を使って、いざ粘土づくり

粘土づくりをした場所。ピザ窯があったりします。

「Swifterbantの土を使って食器を作る」という課題は一応あったのですが、目的は魅力的な食器をデザインすることではなく、Hands on! Get your hands dirty!(手を汚して学ぶ)ということだったので、実際は陶器の素材としての粘土についての理解を深めるワークショップでした。

Swifterbantから採取した土は作業がしやすいように乾燥されていたので、まずは近くにあった木の棒や石を使って粒を細かく砕いた後、篩にかけて細かい粒だけにしていきました。

細かい粒子だけになった土に、少しずつ水を混ぜて練っていきます。一度に水を入れすぎるとダマになってしまい、質のよい粘土にならないそうです。なんかお好み焼きの生地を作っている気分。笑

全体に十分に水を加えたあとは、ひたすら手でこねて練っていきます。そして程よい柔らかさになったら、素材としての粘土としては完成です。

普通の市販の粘土と同じように加工することができます。お皿を作るもよし、器を作るもよし。

ちなみに、陶器の作り方としてはSlip casting(石膏の型に液体粘土を流しこむ)とHand-building(固体粘土を手でこねて形をつくる)の2通りのやり方があるのですが、そこではHand-buildingの基本的なテクニックであるCoilingというテクニックも教えてもらいました。やり方としてはシンプルで、細長く棒状にした粘土をコイルのように巻いていって形を作るというものです。

夕食と、キャンプファイヤーと、人狼と

作業に熱中している間に、いつのまにか日が暮れ始め夕食の時間に。農家ばかりの地域ということもあって隣家との距離がものすごく離れており、周りに何もないので、日暮れが美しくて、とても絵になります。

キャンプファイヤーを楽しみながら、それを皆で囲んでの夕食でした。料理はコースの別のクラスメイト数人で作ってくれたのですが、名前がDrunken Spaghetti(酔いどれパスタ)笑!パスタを赤ワインで煮込んだものだそうで、もちろん赤ワインを飲みながら味わいましたが、これが予想外に美味しかったです。

夕食後は楽しく談笑しつつ、ある先生の提案で人狼ゲームをすることに。生徒ではなく、先生が一番テンションが高くて盛り上がっていたのは本当にいい思い出です。

そしてワインでみんなが出来上がった頃、そのテンションの高かった先生を筆頭に生徒数人で真夜中の畑に繰り出し、スピーカーで大音量の音楽を流しながらクラブのように踊り狂うという、、ホントにみんなエネルギッシュだなぁと実感した瞬間でした。

翌朝はというと、もちろんみんなきちんと9時ごろには元気に起床して、クラスメイトが作ってくれたシリアル&フルーツの朝食をもりもり美味しく頂きました。エネルギーって大事です。

ちなみに、Swifterbantの土を使った食器の仕上がりは?

おわりに

今回のPolder Expeditionはプロジェクトというよりは、本格的にコースが始める前のイントロみたいなものだったので、次回からは具体的なプロジェクトを紹介していけたらと思っています。

それでは。

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