オランダの賃貸物件の読み方と見るべき4つのポイント

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インターネットで世界中のどこからでも検索が可能なオランダの賃貸物件情報ですが、そもそも物件情報の見方が分からないとせっかくの情報も効果を発揮しませんよね。今回はそんなオランダの物件の基本的な知識と、物件の読み方、見学&契約も含めた注意すべきポイントをまとめましたので、この記事を読んで、ぜひ自分に合った最適の物件を見つけてくださいね。

一人暮らし向きの部屋タイプ

日本では一人暮らしで部屋を借りる場合、アパートかマンションの一室を借りることがほとんどだと思いますが、オランダではもう少し種類が多いです。

アパートメント(Apartment):日本の一人暮らし向けの部屋というよりは、家族や夫婦で住める十分な広さのあるワンルームマンション。家賃はだいたい€1,300〜(約16万2,000円〜)と高いです。

スタジオ(Studio):このスタジオが日本で言うところの単身者向けアパート・マンション。ワンルームの中にバス・トイレ・キッチンが備わっているものを指します。家賃はだいたい€600〜(約7万5,000円〜)です。

ルーム(Room):オランダの家の多くは”row house (canal house)”と呼ばれる、縦長の家が横一列に連結した物件です。外見上は繋がっているのですが、内部は個々に独立した家になっており、それぞれが2〜3階建ての家です。その家の部屋の中の一つをオーナーと賃貸契約を結んで借りる形です。オランダでは最も一般的な賃貸契約のタイプで、物件の検索サイトや不動産会社のホームページで“Room”と言われるのがこれです。個別のベッドルームはありますが、トイレ・バス・キッチン・ランドリーは共有です。家賃は部屋の広さや立地条件などによって幅広く、安いものだと€300(約3万7,000円)くらいのものから高いものだと€1,000(約12万4,500円)を超えるものまであります。

学生専用物件(Student house):基本的に学生専用の物件で、一軒家を3人〜6人の学生でシェアする形が一般的。オランダの多くの学生がこのタイプの物件を借りています。契約は不動産会社を経由するものから、直接オーナーと結ぶものまで様々で、上記の”Room”と同様ベッドルーム以外のトイレ・バス・キッチン・ランドリーは共有です。学生専用ということもあり、18歳〜22歳くらいの学生でシェアしていることがほとんどで、家賃は安いと€250(約3万1,000円)くらいのものから、高くてもだいたい€500(約6万2,000円)ほどです。

不法占拠対策物件(Anti-squatting):オランダでは空き物件の不法占拠が社会問題となっており、多くのオーナーが正式な次の借り手が見つかるまでの間、空き物件を通常より安い家賃で貸し出しています。アパートや家といった物件だけでなく、オフィスや学校、図書館といった普通では住めないような物件を借りれたりすることもあります。ただし、あくまでも次の借り手が見つかるまでの間のつなぎなので、オーナーから退去の通知があった場合は14〜28日以内に退去しなければいけません。家賃は€200(約2万5,000円)〜€350(約4万3,000円)のものが多いです。

“row house”、通りに沿って横一列に並んでいます。

物件を見るときのポイント

<<入居者の制限>>

物件によっては高齢者専用であったり、家族専用、社会人専用で学生NGだったりします。

<<家賃補助制度が適用される物件かどうか>>

オランダでは一定の条件(年収・家賃・年齢etc)を満たせば、政府から補助金が支給され、条件によっては€350(約4万3,000円)〜€400(約5万円)ほどももらえたりします。ただし、物件のタイプや設備によっては支給対象外の物件の場合もあるので、事前に不動産会社や物件オーナーに確認しておくと良いでしょう。

<<インターネットの有無>>

有線・無線問わずインターネットが使えるかどうかは必ず確認しておきましょう。ほとんどの物件はインターネット完備ですが、インターネットの無い物件もちらほらあったりします。

<<水道光熱費、インターネットが家賃に含まれているかどうか>>

意外と見落としがちですが、物件によって水道光熱費&インターネット利用料金が家賃に含まれている場合とそうでない場合があります。水道光熱費が家賃に含まれていない場合は、自分で直接水道光熱費の契約を結んで、利用料金を支払う必要があります。

物件の3つの状態

ほとんどの物件サイトや不動産会社のホームページが、この3段階で部屋の状態を表示しています。

Unfurnished:カーペットやフローリング、カーテン、照明器具、フック、シャワーヘッド、トイレカバーなど生活する上で必要な設備が整っていない状態。自分で購入する必要があります。

Semi-furnished:カーペットやフローリング、カーテンや家具が部分的に備わっている状態。ただし完全ではないので、足りないものは購入しなければいけません。

Furnished:家具や生活に必要な家電等が揃っている状態。入居してすぐに生活が始められます。

物件の見学と賃貸契約

<<不動産会社が管理している物件の場合>>

不動産会社と連絡が取れて、物件の見学のアポが取れたからと言っても安心はできません。なぜならば、複数の希望者で物件の見学を同時に行ったり、別日に別の希望者対象で物件の見学予定があったり、ということがほとんどだからです。(つまり、見学の段階では希望者は絞られておらず、早いもの勝ちの状態なんです!)なので、気になる物件があったら迷わず見学のアポを取り、見学して気に入ったら不動産会社の担当者にその旨をすぐに伝えましょう。

賃貸契約を結ぶ時ですが、契約書に書いてあるのに説明を省略したり、すっ飛ばしたりすることがよくあるので、自分の身を守るためにも家賃の内訳や預り金、契約期間や退去する時の条件etc、不明瞭な点はどんどん質問して聞いておくことが大切です。

<<不動産会社を介さない物件の場合>>

こちらも物件の見学は複数の希望者と同時に行われます。こちらの場合は希望者が物件を選ぶだけでなく、貸し手のオーナーが借り手を選ぶ場でもあります。(就職の面接みたいな役割?)Student houseの場合、この見学は”movie night”と呼ばれることが多く、希望者はその家に住んでいる学生自身によって「家に合いそうかどうか」を判断されます。

賃貸契約を結ぶ時は、募集していた時の条件と契約する時の条件が変わっている可能性も十分にありえるので、貸し手に確認して条件を明確に理解しておくことが大切です。

終わりに

この記事では、物件の見方から物件の見学と賃貸契約における注意すべきポイントを紹介させていただきました。日本と比べて部屋を借りる方法が幅広くあるので、どのタイプが自分に合っているかも考えながら、オランダでの新生活にピッタリな素敵な部屋を見つけてください。

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