デザインアカデミーアイントホーフェンの1年次のカリキュラム

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デザインアカデミーアイントホーフェンでは、2年生からはデザインのテーマ別に8つの専攻(FOOD NON FOOD、PUBLIC PRIVATE、MAN AND MOTION、MAN AND WELL-BEING、MAN AND LEISURE、MAN AND IDENTITY、MAN AND COMMUNICATION、MAN AND ACTIVITY)に分かれるのですが、1年生は全員が共通のカリキュラムで「デザイン」について幅広く学びます。今回は具体的にどんなことを学べるかなど、そんな1年生のカリキュラムについてお話させていただければと思います。

1年生のみの三学期制、それぞれ異なるテーマを学ぶ

2年生からは前期・後期の二学期制になるのですが、1年生だけは三学期でそれぞれ異なる3つのテーマのカリキュラムに沿って授業が進んで行きます。(そのため、1年生が一番忙しいなんて言われたりします。。笑)それぞれのテーマは以下のようです。

Body & Mind:哲学やパフォーマンスの授業など心と身体にフォーカスした授業が多く、自分をより深く理解しながらも同時に自分の手を使って、具体的により深く表現する方法を学ぶ。

Society & Change:「社会とどう関わっていくか」がテーマのため、具体的な作品制作も然ることながら、実際の社会をリサーチする方法とそれを作品にどういかして行くかということを学ぶ。また、実際の企業とのコラボレーションもある。

Crafts & Industry:この学期では陶器や鉄といった実際にプロダクトに使用されるような素材を加工する技術を実践的に学び、様々な作品を作り出す。3つの中で一番作業量が多いとも言われる学期。

(※これはあくまで2018年度のカリキュラムです。数年ごとにカリキュラムを一新するそうなので、近いうちに大きく変わる可能性もあります。)

異なるテーマを学ぶメリットとは

1年間という限られた時間でデザインに関わる異なるテーマを幅広く実践的に勉強することで、「自分の向き不向きを客観的に視覚化して見極めることができる」ことが一番のメリットです。また、課題量も他の学校に比べて少なくはないので、どの学期もそれなりに忙しく、その忙しさのおかげで「自分なりのテーマへのアプローチの仕方」が見えてきます。2年生で選択することになる専攻は、専攻ごとに異なるテーマへのアプローチをもっているので、自分のアプローチの仕方を正しく理解することが自分に適した専攻を選ぶ大前提になってきます。

一緒に学ぶクラスとその雰囲気

年度によって人数は変動するようですが、私達の代はひと学年150人前後だったので、ひとクラス約50人の3つのクラスに分かれました。どの学期も個人課題はあるのですが、グループでの課題も多いので(授業によって異なりますが、だいたい4人から6人くらいでひとグループというのが多いです)自然とお互いのことを知る機会も多く、仲良くなりやすい環境という印象です。また、課題は授業内では終わらない量なので、授業が5時に終わっても学校が閉まるまで(10時くらい)教室に残って作業をするクラスメイトも多く、自然と会話が生まれやすい雰囲気があります。ちなみに、ヨーロッパ出身の子たちはパーティーが好きなようで、なにか事あるごとに誰かの家でホームパーティーを開いていて、みんな仲がいいです。

英語について:英語が他のクラスメイトの子たちと比べて上手に使いこなせなくても、作品や自分が生み出したもの(スケッチやドローイング、プロトタイプなど)でコミュニケーションをとってお互いを理解することができるので、意思疎通に関しては慣れればそれほど心配することはないように感じます。もちろんヨーロッパ出身の生徒やアジア出身でもインターナショナルスクールを卒業してきている生徒はネイティブ並みに英語が流暢ですが、それでも英語が母国語という訳ではないので、英語が母国語じゃない人に対して寛容というか、かなり理解があり、私もそんなクラスメイトたちに何度も助けられました。

英語が流暢ではない学生の為に英語の特別授業があったりするわけではないので、最初は英語と課題の量でキャパオーバーになりそうになりましたが、その分短い時間でたくさんのことを学べるカリキュラムと環境だと個人的には思います。まだ入学して3ヶ月しか経っていませんが、振り返ってみるとデザインに対する能力も英語力も想像以上に伸びている実感があります。なので、限られた時間で自分のデザイナーとしての適性を見極めたいという人には、デザインアカデミーアイントホーフェンはおすすめの学校なのではないかと思います。

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